小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

トランプに票を投じるヒト

「ふー、疲れた」 と呟きながらオフィスを出た夜10時。 いつものように医学部前の広場をトボトボと歩いていたら、ベンチの上に何かが置いてある。 ムムっ、何だろうと思って近づいたら ・・・ 黄色い、小さな長靴 が片方。

なんでチビッ子ってこうも懲りずに靴を落とすのだろう (笑)。 新橋とかで飲んだくれてる酔っ払いのオッサンも財布とか鞄とかいろんなモノを落とすけど、靴はなかなか落とさないよね。 フフフ ・・・などと愉快になったりする。 そういえば今朝の NHK のあさいちに、「雨なんか1ミリも降っとりゃせんのに、うちの子は 『長靴履きたい、長靴履きたい』 って騒ぎよる」 と嘆くお母さんが出演してたっけ。 

翌朝、ベンチをのぞいたら黄色い長靴はなかったから、無事誰かが回収した模様。 よかったよかった。 戻って来た長靴を履いて  ♪ あるこう あるこう あたしはげんきぃ ♪ などとご機嫌に歌いながら散歩するチビッ子を想像するだけで、幸せな気分になれる。 ホント安上がりな自分。

 

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と、今日はほのぼのした雰囲気で始まったサル的日記。 皆さんお元気? 「今回はほのぼの回なのね」 と思うかもしれんが、違うのだ。 申し訳ないが殺伐としてるのだ。 正確に言うと、30分前まではほのぼのしてたのに、今は殺伐としているのである。 Amazon のせいで。

Amazonワンクリック詐欺」 って耳にしたことがある人も多かろう。 読者の中にも被害者がおられるだろうと推察する。 Amazon で何かを買うときに、支払い方法とか、送付先の選択とか、何回かクリックを求められますよね。 そのどこかの段階で、いつの間にか「Amazon Prime」に入ったことにされてしまう。 むろん無料サービスなどではない。 顧客の口座から毎月の料金をいきなり引っこ抜きやがるのである。

立派な詐欺 だろ、これ。

届いたメールに運良く気付いたからよかったようなものの、Amazon の野郎、気付かなかったら、この貧乏ザルから毎月数百円をふんだくるつもりだったらしい。 ふざけやがって。

実はこのワンクリック詐欺に引っかかったのは初めてではない。 二度目である。 以前も今回と同様に、まったく覚えがないのに勝手に会員にされてしまった。

怒りの抗議の電話をかけようと思ってもあいつらズルいから電話の窓口がないのな。 だから、激怒しながらも、入った記憶のまったくない Prime の解約という、気が狂ったような作業を強いられるのだが、これがまた面倒くさいのよ クリックごとにいろんな分岐があって、結局5回くらい選択肢を正しくクリックしないと解約できないのである。 心理学的な理論を踏まえての、脱会をとどまらせるための手法なんてものが使われているんだろうな。 「お年寄りだろうとなんだろうと、むしり取れるものはむしり取れ」 なんて教えそうなビジネススクール系の薄っぺらいやつらのやりそうなことである。 くそくらえ。

 

醜いぞ、Amazon

消費者だまして恥ずかしくないのか。

 

最近テレビのコマーシャルで会社のイメージアップを図ろうとしているが、結局おまえらの本質はグローバル規模の詐欺師集団そのものじゃねーか。

国民生活センターに報告はしたものの、Amazon のこのワンクリック詐欺って何年も前から知られていて(ググってみてください。 何件も怒りの告発があります。)、すでに何百件 (何千件?) も報告されているはずだから、お上は本気で対応する気はないのだろうな。 確かにニポンのお役人が Amazon の弁護士連中に勝てるとも思えんが、しかし、経産省消費者庁の皆さん、ちょっとやる気を出してはもらえませんか。 応援します。

 

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アメリカ大統領選挙。 トランプ氏に票を投じた人たちが7000万人もいましたね。 実はサル的なヒトも 「いったいどんなバカがトランプに票を入れたんだよ?」 と半笑いで高みの見物をしていたのである。

が、Amazon の件でイライラしていたときに、ふと気づいた。 気付いたというよりもストンと腑に落ちたのである。

 

あ、オレだ。

オレのようなヤツがトランプに投票するんだ、と。

 

抜け目なく頭のいいヤツらが、貧乏人からむしり取れるだけむしり取る今の巨大・グローバルビジネス。 都会の超高級マンションに住む連中が手を汚さずに大儲けしてやがる。 今のネットビジネスや金融・投資ビジネスって鵺 (ぬえ) のようなものだから、貧乏人がひどい目にあっても、苦情を言うべき窓口がない。 メールなんて平気で無視される(経験ずみ)。 実店舗がないと店員もいないから、泣きついたり、八つ当たりする先もない。 理不尽な目に遭わされて怒りのこぶしを振り上げたとしても、ビジネス界の奴らを (逮捕されること覚悟で) 殴りつけることすらできない。

そんな絶望的な閉塞感を持った人たちが、最後の切り札のような感覚でトランプを支持するのはむしろ当然である。 「ゼニカネや情報を右から左に動かすだけのマネーゲームで大儲けして、貧乏人から手の届かないところですました顔をしているあの金持ち連中に鉄槌を下してはくれまいか。 できれば地獄に叩き落してはくれまいか」 と心の底から願う気持ち。

トランプが救世主などであろうはずがない。 が、しかし、救世主を求める気持ちは腑に落ちた。 今の民主主義の仕組みと、そういう昏 (くら) い激情が結び付くと、アメリカのようなことが起きるに決まってる。 だいぶ前から、当然のように同じことが日本でも起きているよね。 たとえばいわゆるB層がらみの話。 ため息しか出てこない。

 

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ファイザーのワクチンの記事の件。 今の新聞社やメディアには日本語を母国語にするニポン人がいないのだろうか。 医学・薬学の専門知識の問題ではない。 日本語が書けない人たちばかり。

「発症を防ぐ有効性が90%以上であった」

「有効率が90%を超えたワクチン」 

「ワクチンの効果9割超に」

などと記事にしているが、これらの見出しや文の日本語の意味、まったく分からんぞ。 何が言いたいんだ、おまえら? 記者さんたちも、自分の書いていることを理解してないでしょ? こんな日本語を書いて恥ずかしくないの?

もっとも、これってメディア・記者さんだけの問題ではない。 このサル的日記で100回くらい繰り返し指摘しているとおり、 「有効性」 とか 「薬が効く」 とかの (意味論的な) 意味がまったく不明であるという事実を無視しているから、こういう文章が世の中に蔓延することになる。 情けないとしかいいようがない。 

これが今の日本のメディア、そして、れぎゅらとりーさいえんすとやらのレベル。 またもや出るのはため息ばかり。

 

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ため息ついていると悲しくなるから、こういう素晴らしい本でも買ってしまおう。 「猫と東大」。 駒場にたくさん住んでいたぬこたちのことが盛大に書いてあって、2200円。 超お買い得ですよ。 あ、でも Amazon の下のリンクからは買うなよ。 近所の本屋さんで買おう。 

猫と東大。:猫を愛し、猫に学ぶ

猫と東大。:猫を愛し、猫に学ぶ

  • 発売日: 2020/11/10
  • メディア: 単行本
 

 さっそく今日(11月10日)、東大生協に駆け込んで、

「おねいさん、この本なのです! この本、ください!」

と書籍部のおねいさんにおおきな声で言ったら、「ごめんなさい、その本、明日にならないと入荷しないんです」 とのこと。 ちょっと涙目になってトボトボとオフィスに戻ったサル的なヒト。

またため息が ・・・

 

あれ? くちゅがない

朝、いつものように赤門から大学構内に入ったら、銀杏並木の通りにあいつらがいたのである。 大学内にある保育園の2、3歳のちびっこたち。 午前中のお散歩タイムらしい。 みんなおそろいの青いスモックと黄色い帽子を着せられて、かわゆいのぉ。

お散歩軍団の先頭は男の子が二人、保母のセンセとしっかりと手をつないで歩いておる。 その後ろに、4、5人が乗せられたでかい乳母車、 通称 「しとしとぴっちゃん号(子連れ狼仕様)」 が2台続く。 相当に大規模な行列である。 乳母車に乗ってるちびっこたちは、車両から体を半分乗り出して、嬉しそうに手を振ったりしておる。 みんな楽しそう。 見ているこっちまで楽しくなる。

ちびっこが好きでたまらないサル的なヒトは、横に並んで彼らを観察しながらオフィスに向かっていたのである。 と、後ろに位置する2号車の乳母車が急停止した。 2号車の前に小さな白いスニーカーが片方だけ落ちている。 保母さんがそれを拾い上げ、前を行く1号車のちびっこたちに 「誰か、靴を落っことしたわよ! 誰の靴なの?」 と大きな声で尋ねたのである。

誰一人予想してなかった衝撃の事実が判明したのはそのときであった。 センセと手をつないで先頭を元気に歩いていた男の子が急に立ち止まって、

「あれ? くちゅが、ない・・・」

と靴下しか履いていない自分の右足を見ながら、不思議そうにつぶやいておる。

 

 ・・・ ( ゚д゚) ・・・

 

保母さんたち大慌て。 私を含むギャラリーは爆笑。 ここ数年で一番素晴らしいドラマを見た気がする。

自分の靴が片方脱げたのに気づかずに、そのままトコトコと歩き続けていた男の子。 高野山の山伏並みのそんな荒業がどうして3歳児に可能なのかは、現在の科学レベルでは解明困難である。 行動科学を研究している私でもよくわからない。 手をつないでいたセンセも気付かなかったらしい。 

子供って、靴の左右を間違えて履いたり、パンツの前後間違えて履いたりしてもなぜか平気なのである。 おかあさんやセンセに言われるまで気づかなかったりして。 私もちびっこの時にそうだったことをふと思い出した。 皆さんはどうでしたか?

・・・ と、遠い目をして子供の頃を懐かしんでいるが、実はつい数日前、ステテコ (ズボン下) の前後を履き間違えていて、トイレでおしっこをしようとした時におチ○チ○を出すはずの穴がなくて、「う、うわーっ!」 と焦ってしまい、だいぶ少しだけチビったことを思い出したサル的なヒト。 ジジイになると、やってることがちびっこと大して変わらない。 

 

*****

 というわけで皆さんお元気ですか。 大学は後期の授業が始まり、対面での講義や実習も少しずつ復活。 が、まだまだ基本はオンライン講義という厳しい状況である。

例年だと5月に始まる社会人向けの講習会 (医薬品評価科学レギュラーコース (RC))も、今年は8月開講であった。 今週ようやく前半のディスカッション課題の発表が終了したところである。

今年もややこしいテーマを4つ出してグループ討論をしてもらったのだが、初めて顔を合わせた人たちとオンラインでしか対話できないという障壁は相当に大きかったかも。 討論の最中にフラッと私やアドバイザーが突っ込みを入れるのも難しかったし。 うーむ。 謝ってもしょうがないのだが、一応コロナに代わって謝っておこう。 すまんね。

しかし、そんな悪条件下であったとしても、皆さんにはもう一歩踏み込んだ議論をしてもらいたかったなぁというのが私の偽らざる感想である (毎年そうなのだけど)。

皆さんの議論って、なんかステレオタイプである。 製○協や D○A や 「れぎゅらとりーさいえんす」 うんぬん系の学会でよく見かける、業界人の既視感あふれるプレゼンっぽい。 RISF○X などの業界紙の記者さんなら3分もあれば書けてしまいそうなことばかり結論に並んでる。

あとね、皆さんの議論ってタブー・自主規制が多すぎよ。 笑ってしまうくらい。「製薬企業って儲け過ぎ」 、「いくらなんでも新薬の価格、高すぎだよ。 値段下げろよ」 といった議論から必死で顔を背ける様は、見ていて痛々しいほどである。 タブーに触れるとシャッチョさんに怒られるの? あなたの会社のシャッチョさんって、ずいぶんと了見が狭いんだな (笑)

製薬企業の欲深さをめぐるそうした問題意識 (業界人はそれを stigma (汚名、烙印) と呼びたいだろうけど) は、これまで何十年も社会 (政治、経済、倫理) のど真ん中に鎮座してるのよ。 製薬企業を批判し、嘲笑する映画がたくさんあるほどである。 「ダラスバイヤーズクラブ」とか、先週公開の 「薬の神じゃない」 とか。「ナイロビの蜂」 ではもっと分かりやすく 「製薬企業って極悪非道」 と扱われているし、「猿の惑星:創世記」 に至っては製薬企業が人類を滅ぼしておる (大笑)。 その手の映画で製薬企業社員は 「ロレックス着けて、高級コートを着た連中」 と皮肉たっぷりに戯画化されているのだが、実際、私のお付き合いのある企業のおエラいさんたちもそのまんまだったりするから、笑うに笑えないのですよ。(注 1)

(注 1) 「そんな創作やイメージで業界人にいちゃもんつけるな! このサル野郎!」 と殴りかかってくる阿呆がいるかもしれんな。 そういうやつらには、過去の凄惨な薬害年表や醜悪なデータ改ざんの歴史や企業トップの驚くべき高額年収リストを顔面に突き付けて、アンパーンチ!の一撃で返り討ちにしてやる。 遠慮なくかかってこい。

つまり、皆さんが見て見ぬふりしたところで問題意識は無くならないってこと。 (まともな) 先輩たちにならって、皆さんも正面からそうした批判と向き合わないと。 そして議論しないと。 ね。

ニポン政府とか PMDA とか AMED の話も同じ。 「政府機関やお役人のやっていることが基本的に正しい」 なんていうバカげた想定は、建設的な議論をする上で有害無益です。 実際、彼らの政策・施策・プログラムに見込み違いや間違いがたくさんあることは一目瞭然。 発表者のほとんどが、まともな根拠もなく 「ニポン発・ニポン産の薬をもっと応援すべき」 と結論づけていたことにも驚いた。 皆さんって 「機会費用」 という概念をちゃんと持ってる? グローバル企業の社員さんは、自らの会社 (本社の連中) がなぜ 「ニポンを (今以上に) 応援しないのか・応援しなくなったのか」 の理由を考えたりはしないのかしら。

・・・ といった論点をタブー扱いせずに分かりやすく議論するやり方を知ってもらうのが本研修のディスカッションの大きな目的です。 そのためには若干のコツが必要だし、いくつかの学問的な枠組み(概念) も必要だったりするので、ちゃんと学ばないといけません。 腹を括って知らないことを勉強してみてください。 ヒントは出すし、勉強の仕方も教えますから ・・・ 開かれたマインドを持った人たちには、ね。

「見ないふりして逃げ回って来た論点をきちんと議論できるようになる爽快感」 ってすごく大きいよ。 保証します。 

二回目のディスカッションでも、今回に輪をかけてややこしい課題が出されます。 思う存分に楽しんでね。 Enjoy !

 

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恐ろしいのは、アメリカ人の4割が今でも 「トランプを支持する」 と答えていること。 いや、それを恐ろしいと感じているのは私だけで、皆さんの多くはそうは思わないのですよね。 なんたってニポンの前総理と仲良しなんだもんね。 あー、こわ。  

ジョン・ボルトンさんって、容貌・雰囲気がちょっと FDA の Bob Temple さんに似てるよな、と思ったりする (笑)。 Bob、さすがにもう引退したのだろうか。 知ってる人がいたら教えてください。 

出征兵士を温かく見送ろう

う、うわぁ! 汁が! じる が! おいなりさんのねっちょりした汁がバックパックの中で飛び散っておる! ・・・ などと明らかに気が動転しているサル的なヒト。 コンビニで買ったおいなりさん(3個入り)をバックパックに放り込んで走って学校に着いたら、稲荷汁が漏れてたのである。 買ったばかりの経済学のテキストがベトベトに。 稲荷汁ってぬるぬるでちょっとたまらんぞ。 おいしいけど。

というわけで、皆さんお元気ですか。 涼しくなっていい気分ですね。 キンモクセイの香りがふんわりと外から舞い込む季節。 昨日は空からも匂いが頭上に降ってきた。 東大の構内ではこの季節、銀杏がポトポトと文字通り降ってくるのだ。 頭の上にポトリと落ちてくるビミョーな臭いの銀杏。 今、東大は近所の人たちの入構を禁止しているので、銀杏を拾ってくれるおばさんたちがいない。 なので、大量の銀杏が路上に散乱しているのである。 もったいない。 ちなみに構内を散歩するワンコもいない。

レジ袋禁止も、コロナへの過剰防衛も、どっちもクソくらえ。 と小さな声で呟く。

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コロナ、みんなの辛抱のタガが外れてしまいましたね。 毎晩通勤で通り抜ける繁華街は、コロナ以前の状態にほぼ戻ってしまった。 さらにニポン人って、お上の Go-To キャンペーンに絶賛協力中なんだってな。 みんなニコニコして大口開けて外食したり、密室の乗り物に長時間閉じ込められたりしておる。

誤解してほしくないのだが、私はキャンペーンに反対してないし、キャンペーンに乗せられた連中をバカチャレンジャー呼ばわりする気も毛頭ない。 若くて身体が丈夫で勇気のある人たちが、死にかけている外食産業、旅行産業、そして地方の観光地にお金をじゃんじゃん落としてくれるのは実にありがたいことに決まってる。 ただ、私自身はその手のキャンペーンに協力する気は一切ない。 すまんね。 だって自分、身体が弱くて感染が怖いビビりーなんだもの。 貧乏だから旅行・外食する金もない。

今の気分をたとえるとすれば 「先の戦争で出征兵士を見送る隣組のおじさん」 って感じ。 お上の赤紙一枚 (クーポン券) で召集され、生きて帰れるとは限らぬ戦地に赴く若者に万歳三唱してやりたい。 「お上に協力するのは名誉なことだから精一杯がんばりなさい」 なんて声をかけたりしてね。 内心 「お気の毒に・・」 って思ってるが、むろん口には出さぬ。 無事に生きて帰ってほしいと願ってますよ。

だけど賢明な読者の皆さんは、太平洋戦争と今回のコロナ騒動では大きな違いがあることにもう気づいてますね。 戦中の出征兵士が生きながらえて故郷に戻るときには武装解除されてるけど、コロナ禍で出征する兵士たちの一部は、武装解除どころか、重機関銃でウイルス弾を敵味方関係なくぶっぱなしながら職場や近所に戻ってくるんだよな (笑)。 そこが問題。 まぁしかしそれも仕方あるまい。 なんたって彼らは危険を冒して自ら出征してくれたのだ。 オトナの流儀は、温かい目で彼ら出征兵士を見守ってやることだろう ・・・ 唾が届かない、うんと遠くから。

東京駅や羽田空港で出征兵士を見送るときには、こんな歌を歌ってあげると喜ばれよう。 


<軍歌>出征兵士を送る歌

 

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政治家がここまで愚劣なのは、私たち国民自身が愚劣だからだよな。 サル的なヒト並みに薄っぺらい知性しか持たぬ阿呆が政治家や役人になっている気がする。 ダメだろ、それ。

米国大統領選のテレビ討論会でのトランプの振る舞いに吐き気を覚えてたら、ニポンでも少し前から 「政府の気に入らんことを言う学者はニポンの正統な御用学者に認定しないことにする」 というニュースが。 ハハハ。 純度100% の意地悪、嫌がらせ。 おまえら、小学生かよ。

各省庁のお役人が特定分野の政策や方針を正当化するために、政策を支持してくれる御用学者のみを審議会の委員にするのは日常茶飯事である。 むろんそうした振る舞いは不透明、不公正、醜悪で、かつ当の政策意図の達成の意味からも非効率であることが多いのだが、そこには政策実現の現場ならではの一応の (鼻クソくらいの) 合理性はある。 ところが今回の学術会議委員の決定にはそうした合理性はどこにも見当たらない。 背景にあるのは、権力を持って何かを勘違いした官邸まわりのおっさんたちの 「学者の野郎ども、ちょっと自分たちが賢いと思って、オレら権力者にたてつきやがって。 気に食わん」 という卑小な復讐心だけ (他にある? あるんだったらぜひ教えてください)。 自らの料簡の狭さ、けつの穴の小ささを告白してるだけ。 あーあ、いい年して情けない。 

私のまわりにも (お役所・業界、そして大学にも)、この手のミニ独裁者の腐れオヤジが何人もいる。 「ちっきしょー。 あのサル、若造 (あるいは元木っ端役人) の分際で、このオレ様に逆らいやがって」 と、何(十)年もネチネチと私に嫌がらせをしてくださっているのだが、そいつらにだって、嫌がらせは公には見えぬところで陰湿に行うくらいの知恵はある。 だって衆人環視の下で露骨に嫌がらせしたら、大人物然とした権力オヤジが実はケツの穴の小さい小心者だってバレちゃうもんね (実際そうなんだけど)。 しかし今回の嫌がらせは全国民に公開生中継されておる。 相当にカッコ悪いことになってますよ。

仮に政権の側に立って考えても今回の件はダメダメである。 学術会議のメンバーを見れば (医学、薬学のメンツをご覧ください)、「ああ、なるほど。 いつもの、そういう類の、政府御用達の委員会なのね」 と一目で分かる。 ニポン政府の委員会・審議会なんてすべてそうなのだし、誰も特段気にもとめてなかったのに、官邸自らが火のないところにガソリンまいて放火しておる。 愚かなり。 

政治家も、役人も、専門家も、サルも、国民一丸となってみーんなトランプ並みの愚劣。 芥川先生、この令和の御代、良心を持たぬバカはもはや国民の9割どころじゃありませんぜ。

一国民の九割強は一生良心を持たぬものである。

芥川龍之介. 「侏儒の言葉」)

 

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うっ、ゲロ吐きそう。 そんな気分を味わいたい方におすすめの映画がこれである。 「ミッドサマー」。 遅くなったけど、やっと見ました。

 


『ミッドサマー』本編映像&予告編(15歳未満は見ちゃダメ)

 

うっかりしてたのだが、これってあの「ヘレディタリー Hereditary」 の監督の作品なのである。 「ヘレディタリー」 って 「エクソシスト並みに怖い (つまり、素晴らしい)」 と評判だったので、ビビりーなサル的なヒトはついネタバレ映画評を読んでしまったのであった。 それで映画を見た気分になってしまって、映画館に行きそびれてしまったのである。 不覚であった。

で、この 「ミッドサマー」だが、とにかく気持ちが悪い。 監督は確信犯で観客を 「気持ち悪く」 させようとしてます。 時々登場するグロ描写もそう。 恐怖映画には 「気持ちのいいグロ描写」 と 「気持ちの悪いグロ描写」 があるのだが、この映画に登場するのは典型的な後者。 (注: 前者はたとえば 「死霊のしたたり」 とか。 興味のある方はぜひどうぞ (笑))

うつ病パニック障害のヒトは、この映画見ちゃいけない。 危ないのは、話が盛り上がる後半ではなく、むしろ前半。 映画館で見てたら私も相当にやばかったと思う。 そういう意味での問題がない人はぜひどうぞ。 なかなかの怪作ですよ。 3億点くらいはつけてあげたい。

9月になれば僕は

まだまだ暑いけど、皆さんお元気? サル的なヒトは大忙しなのである。 なんで忙しいかって、そりゃ決まってるでしょ。 私は医薬品の薬効評価や製薬産業の開発効率を研究してる大学のセンセーですよ。 住んでいる団地の桜とツバキの木に盛大に毛虫が発生してしまって、ここ数日その対応に追われていたのである。 朝晩庭木をチェックして殺虫剤をシューシューしたり、足りなくなった殺虫剤を東急ハンズまで仕入れにいったり、駆除業者さんに来てもらって相談したり。 目が回りそうな忙しさである。

ちなみに東大の本郷の病院前のバス通りの桜も悲惨なことになっておる。 毛虫にやられて丸坊主。 今年はコロナのせいで草刈りとか掃除が甘かったから、自然が元気なのである。 自然の側からすると、ふだんは人間様に抑圧されてるのだから今年くらいは張り切りますぜ、って感じなんだろうな、と思う。

桜の木にわいているのは、モンクロシャチホコって毛虫。 黒々プリプリした胴体に、黄白色の毛がフサフサと生えておる。 虫嫌いは一目見たら卒倒するかもしれん。 が、よく見るとかわいいところもあるのよ。 無毒だから安心してください。 

モンクロシャチホコの特徴、それは、桜の葉っぱをモリモリ食べて大きくなると、地中で蛹(さなぎ)になるために、木から降りてくるところである。 あいつらが喋れるのなら、きっと 「諸般の事情でちょっと地上に降りますよ。 いや、悪気があるわけじゃないのよ。 びっくりしないでね」 とか控えめに言うのだろうが、人間はそれを 「う、うわぁー! 毛虫がポトンと落ちて来たぁ!」 と表現してしまう。 「降りる」 と 「落ちる」 を隔てる低いようで高い壁。 ユーミンの 「5センチの向こう岸」 みたいなものだ ・・・ いや、違うか。(注 1)

(注 1) 彼氏が自分よりも5センチも背が低い女の子の悲恋(笑)を歌った曲。 とてもかわいくていいよね、これ。 

でもね、こういうできごとに接していると、季節と自然の移ろいが感じられてとてもいい気分なのである。 まだ強い残暑の陽射し。 濃い緑の葉が徐々に欠けていく様。 モコモコと地面を懸命に這う毛虫たち。 土の臭い。 汗の臭い (あ、これは自分の体臭だ)。 夏の終わり。 これらみんな、一日中室内で在宅勤務していたのでは味わえない贅沢なものたちばかり。 うちの研究室の学生たちには昨日指導したが、それ以外の読者のみんなも、お外に出ようね。 土や石や草や虫をむやみやたらに触るといいよ。 部屋にこもって会社に言われたことだけしてたのでは、心が病むよ。

外をのんびり散歩しながら、夕方5時のチャイムを聴こう。 これから誰と出会い、そして別れるのかなんて知る由もなかった昔々の自分たちを思い出しながら、夕闇を見上げよう。 あ、涙が。

 


フジファブリック (Fujifabric) - 若者のすべて(Wakamono No Subete)

 

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 夏の終わり、おじさんたちは Simon & Garfunkel の 「4月になれば彼女は」 を何度もつぶやく。 8月、9月はアメリカ人にとっては別れの季節である。

August, die she must
The autumn winds blow chilly and cold

September, I’ll remember
A love once new has now grown old
 

8月、彼女はいなくなる

秋風が、冷たく刺すように吹きつける

9月、僕は思い出す

新鮮だった愛が古びてしまうってことを

 


Simon & Garfunkel - April Come She Will

 

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あ、そうだ。 11月に開催される医療がらみのシンポジウム (コロナワクチンなどを議論するセッション) の抄録を書いたから、それもちゃっかり載せてしまおう。 仕事もちゃんとしてるってところを読者に見せておかないと、「サル的なヒトって、桜の下の毛虫を棒でツンツンしたり、昼休みに三四郎池のまわりでセミコガネムシを採ろうとしてヤブ蚊に食われまくっているだけの人なのか?」 と誤解されてしまうからな。 否定はしないのだが。

 

お役人や専門家の言うことって、みーんな意味不明、みたいな(笑)

 

小野俊介

 

このシンポの第一回からずっと申し上げてきたことを今年も繰り返す。 サル的な大学教員の過去の言動など誰も覚えていないのだから、ネタを使いまわしても苦情は来るまい。

お役人や医者や研究者が医薬品がらみの案件で力説していることのほぼすべてが、意味不明である。 政治家が意味不明なことを言うのはどの国でも常識だが、医薬品がらみで発せられる言葉はそれとは違う意味で意味不明である。

先日コロナワクチンの副作用が問題になったとき、「コロナワクチンは有効性と安全性で適切に審査する」 と政府高官が言ってましたね (正確には、言わされてましたね)。 まったく意味不明である。 こんなバカげた台詞に誰も突っ込みを入れないなんて、皆さん在宅勤務しすぎて頭のネジが飛んでしまったのだろうか。コロナって恐ろしい。

有効性、安全性ってなんだよ、それ。 誰ひとりとしてまともな定義 (注:辞書的定義ではなく、意味論的なモデル) を与えていないぞ。 薬機法にもそれらの意味は一行も書かれてない。 なのに、なんでお前ら、有効性とか安全性とかいう言葉の意味を知ってるの? ・・・ ホントは知らないんでしょ? なんとなく雰囲気で、テキトーに、カッコつけて語ってるだけなんだろ? 正直に白状してごらん。 サル的なおじさんは怒らないから。

驚いたことに私の主張は検証可能である。 方法は簡単。 役人や専門家連中がエラソーに発したコメントの語尾に

「・・的な(笑)」

「・・みたいな(笑)」

を付け加えるだけでよい。 ほれ、テレビタレントがよく使うヤツである。 たったそれだけのことで彼らの言ってることの薄っぺらさがおそろしく鮮明になる。

 

「ワクチンの有効性と安全性を保証する、的な(笑)」

「審査の透明性を確保する、みたいな(笑)」

 

 ほらね、いい塩梅にニュアンスが強調されて、「そうそう、役人や専門家の言うことって所詮この程度にいい加減なのよ」 って気付くでしょ? れぎゅらとりーさいえんすとやらに出てくる文章や言葉はほぼすべてこの程度の意味不明さなので、真に受けてはいけないことがよく分かる。

 

臨床試験には高い科学性・倫理性が求められる、みたいな(笑)」

 

も、あちこちで見かけますね。 いろんなところがちょっとユルい医薬品業界人(産官学すべて)の決まり文句である。

彼らのいう「科学性」がテキトーなのは昔からの伝統だが、「高い」倫理性っていうのも笑える。 エベレスト山頂とかに住む賢者が語る倫理のことだろうか? 「高い」倫理があるのなら、きっと「低い」倫理もあるのだろうな。 「地べたに落ちた肉まんを食べない」 とか。 意味不明である。 たいていの製薬会社はホームページで倫理だのコンプライアンスだのを語っているのだが、「わが社の社員は高い倫理観的な(笑)倫理観を持たねばならない」 と正確に表現した方がいいですよ。

 

医療・医薬品業界のおっさん・おばさんたちの言うことってチョーウケる。 マジまんじ。

 

帰宅して、家人に 「ふんっ! どんなもんだい!」 とこの原稿を見せたら、「これってもしかして、最後の 『マジまんじ』 って言葉が使いたかっただけなんでしょ?」 と一瞬で見抜かれた。 ぐうの音も出ないとはこのことである。

ぐう ・・・ あ、出た。

2020年の夏

元気に生協で昼飯を食った後、いつものように三四郎池経由でオフィスに戻ろうとしたら、途中でコガネムシを見つけたので、「おおっ、これはいいモノを捕まえた。 秘書のおばさんおねいさんたちに急に見せて 『キャー!』 とか驚かせちゃおう」 と思って手のひらに握りしめていたら、コガネムシが盛大にユルユルのウンチをしてしまい、手のひらが真っ黒のウンチでベトベトになってしまった。 皆さんの手には流行のウイルスが付着しているのかもしれんが、サル的なヒトの手にはさらにややこしいものがいろいろと付着しておる今日この頃。 皆さんお元気?

先日の朝、テレビのワイドショーで 「速報! 藤井棋聖王位戦第3局!」 というテロップが流れたので、「ん? 何が起きたんだ? 藤井君がコロナにかかったとかか? そりゃ大ごとだぞ」 とビビったのである。 そしたら、対局室にカメラが移って、藤井君が悠然と初手を指す光景が映し出された。 

アナウンサー:「藤井棋聖、初手7六歩を指しましたぁ!」

・・・

・・・ あのな、将棋のタイトル戦は丸二日かけて対局するのよ。 初日の朝の初手7六歩を速報してもしょうがないの。 ニポンのテレビ局ってホンマもんのバカなのな。 でも大笑い。

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オンライン授業に高い授業料を払っている今の大学生が気の毒でならない。 オンライン講義だけの大学生活なんて、そんなもの面白くないに決まってる。 変な奴ら・ややこしい奴ら (センセーを含む) と接し、語り合ったり知り合いになったりできない大学生活なんて意味ないよな、それ。

面白くない・意味がないだけではない。 かつてのサル的なヒトみたいな貧乏学生は、今の時代、もはや大学生として生きていくことすら難しいのではないかと心配している。

風呂無し・台所無し・便所共同の三畳間の下宿で東京生活を始めた自分。 今でいう「wifi 環境を整えろ」 は、当時だと 「部屋に電話を引け」 という感じだが、貧乏学生にはそりゃ無理だ。 仮に大学が無料でモバイルルーターを貸してくれたとしても、パソコンが無い (笑)。 入学後に数か月バイトしてその手の贅沢品は買おうと思っていたとしても、今の状況ではそのバイトができない。

いや、今の大学はやさしいから (というよりも経営上の理由で)、モバイルルーターとパソコンをセットで貸してくれることくらい知ってるさ。 でも、三畳間で独りぼっちで朝から晩までパソコンの画面と向き合う生活をしてたら精神を病むよね。 ド田舎から上京した貧乏学生には、東京には友だちがいないんだもん。 僕の場合は、幸運にも入学してすぐに、目白に住むおぼっちゃまなどが友だちに (少なくとも知り合いに) なってくれて、東京での暮らし方を教えてくれたっけ。 あまりに右も左も分からなかったから、かわいそうに思ったんだろうな。 他にも友だちが何人かできたから、心が病まずにすんだのだ。

4月、5月は乗り切れても、7月くらいになると別の意味でもう無理だ。 西日のあたる三畳間は昼間40度を超える。 自分の狭い部屋にいることすらできないのよ、貧乏人は。 当時どうしていたかというと、酷暑の日に我慢できなくなると、歩いて5分ほどの繁華街の、薄暗いゲームセンターに夜までずっといたのである。 エアコン効いてるし、ゲームセンターはほとんどの時間店員が不在だったので、何時間座っていても怒られないから。 ゲームをやる金 (1回 50円とか 100円とか) はないから、ゲームやってるふりして、ぼーっとデモ画面を眺めていた。 時々、誰かが捨てていった少年ジャンプなんかを拾って読む。

むろん今と昔では生活が違う。 想像力のないヤツらは 「三畳間の下宿なんて今はもう東京にはないよ」 などと鼻で笑うのだろうな。 でもな、社会が 「進化」 したからこそ、今の貧乏の方が昔の貧乏より辛い面があるに決まっている。 昔の貧乏学生よりは今の貧乏学生の方が恵まれているなんて一概に言えるわけがない。

例えば情報環境などの格差はますます広がっているのだろうし。 実際に調査の結果があるのだが、家に (スマホではなく) パソコンがあるか (つまりちゃんとキーボードで作業ができるか) などの格差はとても大きいのよ。 もっと現実的な問題もある。 エアコンの効いた出入り自由のゲームセンターって今はほとんど無くなったのだが、店員や掃除係の目を気にせずに貧乏人が何時間でも座っていられる冷房のきいた場所が代わりにできた・増えたと思う? (注 1) ホームレスを必死で街から追い出そうとする狭量な社会からは、必然的に貧乏学生も追い出されるのよ。

(注 1) ちなみに公共図書館や大学の図書館は夏の暑さを完全にしのぐ場所にはなりません(でした)。 近くにはないし、早く閉まるし(昔は夕方5時に閉まっていた)、休館日多すぎ。 エアコンを持ってない人に聴いてみるがいい。

コロナ禍のオンライン化のせいで、貧乏学生の昼間の居場所 (= 教室) が物理的になくなったばかりか、大学という階層シャッフル装置が機能不全に陥り、貧乏階級の学生が上流階級の学生と混じり合えなくなっている。 もし自分が今、大学一年生だったら、数か月間の生活でもうすっかりやる気をなくして、半病人になって泣きながら田舎に帰ったかもしれん。

このブログを読んでる駒場の学生さん。 友だちができずに、部屋で泣きそうな気分になっているのなら、遠慮なく遊びにおいで。 誰でもかまいませんよ。 勉強の仕方、将来の進学・就職のこと、貧乏の乗り切り方、大学・教員のすごいところ・ダメなところなど、なんでも教えてあげる。 サル的なヒトは薬学部 (本郷) のオフィスにいるからね。 

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この時期はいつものようにあの戦争を振り返る。 恒例の読書リストに時間のある限り順に目を通す。

レイテ戦記(大岡昇平) 中公文庫

太平洋戦争 日本の敗因4 責任なき戦場 インパールNHK取材班) 角川文庫 

戦艦大和ノ最期 (吉田満講談社文芸文庫

野火 (大岡昇平岩波文庫

夜と霧 (ヴィクトール・E・フランクルみすず書房

夕凪の街 桜の国 (こうの史世) 双葉社

火垂るの墓野坂昭如新潮文庫

指揮官たちの特攻 (城山三郎)  新潮社

アーロン収容所 (会田雄次中公新書

日本はなぜ敗れるのか 敗因21カ条 (山本七平角川oneテーマ21

等々・・・

 

古いのから新しいのまでいろいろあるが、これって読みやすい・入手しやすい本のリストである。 もっと重厚な、本格的な戦記はむろん他にもたくさんある。 このリストを  「一冊も知らない・読んだことがない」 なんて人はまともなオトナではありません。 恥ずかしいからちゃんと読め。 な。 せめて二、三冊は読め。 

 

最近出たばかりの本も。

東大の学生さんによるこの写真集、素晴らしい。 白黒写真に色を付けると、見えてくる世界が変わることを知る。 

 

昨年のNHKスペシャルも本になってますよ。 ガダルカナル。 シロウト指揮官 (役人) と縦割りの意思決定のせいで国民が死ぬのは、ニポンに限らず近代国家の伝統かもしれん。 ほれ、今コロナで見ていることそのものですよ。 

ガダルカナル 悲劇の指揮官

ガダルカナル 悲劇の指揮官

 

  

本を読むのがしんどいとかぬかす横着な奴らは、せめてこの映画だけでも見て、おしっこちびっておけ。


ゆきゆきて神軍 YukiyukiteShingun (introduction)

 

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 そしてもう一冊。 これもこの季節には欠かせない。 毎年書いてるな、これ。

「1970年の8月8日に始まり、18日後、つまり同じ年の8月26日に終わる」 物語。 

風の歌を聴け (1979年)

風の歌を聴け (1979年)

 

 

潮の香り、遠い汽笛、女の子の肌の手ざわり、ヘアーリンスのレモンの匂い、夕暮れの風、淡い希望、夏の夢 ・・・。

オンラインや SNS では決して手に入らぬ人生の宝物に、今年も触れることにする。 少しかび臭く、茶色に焼けた38年前の文庫本を書棚から取り出して。

あ、そうそう、最新刊も佳作ぞろい。 「With the Beatles」 を読んでたら、夜中に涙が止まらなくなったよ。 「風の歌を聴け」 の後日譚の一つとも思えて、深い余韻がある。 

一人称単数 (文春e-book)

一人称単数 (文春e-book)

 

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暑いけど、コロナだけど、外に出よう。 いつもどおり人と会おう。 夜風に吹かれながら、女の子 (あるいは男の子) の肌の手ざわりやヘアーリンスのレモンの匂いを感じよう。 サル的なヒトたち (より上) の世代の女性だと、ヘアーリンスではなく白髪染めの香りだったりすることもあるのだが、それはそれで愛おしい。 ガキには分からんだろうがな。

皆さん、すてきな夏休みを。 この数か月で大切なものがたくさん失われたように、2020年の夏ももう戻らない。

自分、不器用ですから ・・・

コロナ禍で行動範囲が狭くなっていて、ブログに書くことも狭くなる。 すまんね。

いつものように生協の学食に昼飯に行ったのである。 生協は気合を入れて感染症対策をしているので、安心だからな。 入り口で全員シュッシュとアルコール消毒するし、席の間隔も開けてあるし、誰かが席を立ったらすぐに係の人が拭き拭きしてくれるし。

しかし、こうした環境 (インセンティブ) に人間は適応して変化してしまう。 前々回に書いたが (これね → 顔をこっちに固定したまま大声で話さない - 小野俊介 サル的日記)、対面に座れないとなると、首を真横に向けて隣に座った友人と激しく唾を掛け合っておる阿呆が多数出現するのである。

今週はさらに進化 (退化) した阿呆が。 対面を禁止すると席数が減るので、生協さんは、巨大な透明のビニールシートのパーティションを設置して対面席を許したのである。 確かに、これなら対面に座っても、唾液も息も直接は届かない。 ところが、ビニールシートを挟んで面と向かって座ったグループのやつら、安心感があるからか余計に大声を上げて会話を始めるのである。 ビニールシートのせいで正面の行き場を失った唾液は、横の並びに座ってるオラの味噌カツ定食の上に普段よりも盛大に降りかかってくる。

・・・ おまいら、ホントに大学生か? ホントは単なるバカなんだろ?

メシくらい、黙って食え!

高倉健がペチャクチャしゃべりながらメシを食うと思うか? え?

 

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 (刑務所を出所した直後、定食屋で注文したビールと醤油ラーメンとカツ丼をしみじみと食う健さん。「幸福の黄色いハンカチ」より)

ねぇ、生協さん。はっきりと壁に 「おまえら、オツムが不器用なんだから、学食では黙れ」と書いてはくれまいか。 今のニポン人って、ビニールシート張ってあるのを見ると 「あ、これで感染を気にせずに、思う存分ペチャクチャ話せる」 と勘違いする程度の頭しか持っていないのよ。 

ワシら貧乏人にとっては500円以内でちゃんとメシが食える学食って、文字どおり生命線である。 学食が感染源になって営業停止なんてことになったら、ワシらはもうどこにも行くところがないのです。 なんとしてでも事故を起こさずに頑張ってください。 頼みます。

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地獄の門が開きかけてますね。 絶妙にいい塩梅の感染性と毒性を持ったコロナが、人類と相性が悪い難敵であることは100%認めよう。 その上での話ではあるが、ニポンの政治家・お役人・御用学者が状況をさらに悪化させていることは、もう改めて念を押さずとも皆さんの共通認識になりましたね。 医薬品ムラの実例を散々挙げて二十年間主張してきたのに無視され続けてきた「お上って実は無能」 仮説が、こうも簡単に全国民の前で検証されるなんて夢のようである。

サル的なヒトは、朝晩、東京屈指の繁華街を歩いて通勤している。 ほれ、テレビでよく 「本日は例年の〇%の人出です」 とか報じられる場所ね。 で、毎晩ほぼ同時刻に(夜9時30分頃)同じ通りの同じ地点間で、駅を出てから約10分間にすれ違う人の数を数えているのである。 そいつらの8割がたは、繁華街で飲んだ帰りで、駅に向かうウェーイ系の酔っぱらい。

7月14日:173人、16日:115人、17日:165人、

20日:145人、21日:125人、22日:154人、

27日:161人、28日:171人、29日:206人、

31日: 247人 (笑)・・・

(注 1) これは本当の実測データです。 薬効評価のプロだからデータにはうるさいぞ (笑)

ご覧のとおり、酔っ払いの数は全然減ってません。 もはや笑うしかない。 メディアに 「感染爆発」 って脅かされてビビっているのはおっさん・おばさんたちだけで、若い奴らにはぜーんぜん響いてないのよ。 知らん顔して繁華街で飲んでますよ。 こいつら、飲み会の後で気が大きくなってるから、半分くらいはマスクなんてしてないし。 やたらと大声を張り上げる。

「夜10時まででお店を閉めさせる」(東京)、

「5人以上の飲み会はダメ」 (大阪)、

「飲み会は2時間以内に」 (京都)、

などとお上が指導しているが、繁華街に来てる若者にはほぼまったく効かない気がします。 上に書いたとおり、夜9時30分くらいの段階で十分爛 (ただ) れているし、こいつらたいてい4人以下 (含カップル) だぞ。 飲み会ハシゴして、最後はカラオケ屋になだれこむ連中も多いし。

うーむ。

 

ではこの状況にどう立ち向かえばよいのだろうか。 サル的なヒトならではの、誰もが唸(うな) るような素晴らしい解決策はないのか。 

 

ある! 

 

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黙って飲め。

健さんになったつもりで、黙って、飲め。

高倉健どんちゃん騒ぎしてウェーイとかするか? するわけねーだろ。 酒は黙って飲むものなんだよ。 「不器用ですから ・・」 と呟いてみろ。 訳ありの美人女将が向こうから寄ってきてくれるんだぞ。 お酒はぬるめの燗がいいし、肴は炙ったイカでいいんだよ。 つべこべ言うな。

 

それですべてが解決だ。 そうすりゃ東京都知事大阪府知事京都府知事も大喜びだ。 おまいらアル中はアルコールの血中濃度を上げられるし、居酒屋だってつぶれないですむんだぞ。

ワクチンが登場しても、抗ウイルス薬が登場しても、そんなもの必ず効くわけではないのだから、当面は 「黙って飲め」 が唯一かつ最善の解決策である。 社会的ジレンマを含むこの問題に他の解は無い。 胸をはってそう断言させてもらう。(注 2)

(注 2) そのうちにドクター中松がなんかすごい発明をするかもしれんから、「当面の最善解」 としておく。

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久しぶりに映画らしい映画を見ましたよ。 見逃していた 「パラサイト 半地下の家族」。


第72回カンヌ国際映画祭で最高賞!『パラサイト 半地下の家族』予告編

 

おとぎ話の中での映画的リアリティのバランスがとても素晴らしい。 ストーリーの中で重要な役割を果たす 「貧乏人の臭い」。 私も基本が貧乏人なので、貧乏な家の 「臭い」 がとてもよく分かる。 オレら貧乏人って大人も子供も、なんか饐(す)えたような、酸っぱい、もっさりしたカビの臭いがするんだよな。 特に夏場。

コロナ自粛とかで世間は暗いムードだが、実は貧乏人はなんの影響も受けないのである。 オレなんか、泊まりの家族旅行なんて人生で一度も行ったことないし、ちゃんとしたレストランでの家族の外食なんてそもそもしたことないんだもの。(注 3) コンサートとかも20年に一回くらいしか行ったことがないし。 生まれて55年間ずっとコロナ自粛生活してるようなものだから。

(注 3) 自分や家族が企図して・計画して行ったことがないということ。 仕事で行かされた・誰かに一緒に連れていかれたことはある。 こう書いておかないと親戚や友人からクレームが入るからな。

この映画が世界的に評価されるということは、どの国でも金持ちは、貧乏人のふるまいや臭いを普遍的に面白い (bizzare) と感じていることの現れなのだろうね。 サル的日記が一部の読者に面白がられるのもそういうことなのだろうと思ったりする。

今日はバカの棚卸しでーす

他人をバカというやつが、本当は一番バカなのだ。 今日のブログはそんなバカの大安売り、たたき売り。 バカの中になぜかサルも一匹混じっておる。

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とあるお医者さんの twitter を時々読んでるのだが、先日こんな趣旨のことを書いていて大笑い。

80年前の日本人が、どうして、アメリカを相手に勝てる見込みがまったくない戦争を始めたのかずっと不思議で仕方なかったのだが、ここ数か月のコロナの対応を見ていて、その謎が100%理解できた気がする。 日本人って昔からずっとバカだったんだ (笑)

はい、まったく同感です。 ニポン人、バカですね。 ニポンのシャッチョサンたち、スケベなだけじゃなくてアタマも悪いね。 バカは時代も世代も超えるんだ。 遺伝子に組み込まれたバカだから、ある意味ウイルスよりも恐ろしい。 

「旅行自体は感染を起こすことはない」 だの 「コロナ自体は脅威ではない」 だの言うバカ。 薬害起こした後で「薬剤自体が悪いわけではない」 とか、原爆使って 「核兵器自体が悪いわけではない」 とか、いろいろ応用が利くバカだな、これ。 そういえば原発ボッカーンした時にも 「プルトニウム自体は飲んでも大丈夫」 と発言し、批判されると 「吸収されないのだから、どこも間違ってないだろ?」 と開き直った専門家がいたっけ。 かわいそうに、どの領域でも専門家って言語中枢に障害があるらしい。

南京虫入りのマスク配布といい、Go To といい、一度動き始めたら自分では途中で止まれないバカ。 自分たちの手足や首がもげて死にそうになっているのに 「降参です」 って言えなかった75年前のニポンのバカそのもの。 バシー海峡で沈められると分かっている輸送船を延々と送り続け、何十万人もの日本人を殺した大本営のバカや、インパール作戦、レイテ戦に登場した数々のバカたち (牟田口とか) とまったく同じことやってやがる。(注 1)

(注 1) なんのことか分からんバカは歴史書をちゃんと読め。 

「昭和史に出てくるその手のバカっていったいどんな臭いがするのだろう?嗅げるものなら嗅いでみたい」 とずっと思っていたサル的なヒト。 だが、そいつらと同類のバカが、今、目の前に盛大にいるじゃないか。 なんという幸運! 長生きはするもんだ。 どれ、どんな臭いかな ・・・ フガフガ ・・・ あ、あれ? オラと同じ臭いだ ・・・

意味も分からず抗原、抗体を語るバカ。 高校の生物の教科書すらまともに読んでないのな。 「コータイ検査をしたから大丈夫」 「コータイ検査、陰性で良かったぁ!」 とか言ってるニポンの芸能人や首長。

「ニポンの誇る製薬技術を使って、ニポン産のワクチンと治療薬を早くニポン人に!」 のバカ。 このブログでは昔から、その手のバカを 「オールジャパン馬鹿」 と呼んでいますね。 朝〇新聞、最近急に、ニポン企業 vs. 外資企業の構図で 「ニポン企業が弱いからワクチンが手に入らん」 とニポンの危機を煽り始めて大笑い。 あの新聞ってなんかキナ臭いことが起きると急に大政翼賛会のようなこと言い始めるのな。 80年前に戦争を煽りまくった遺伝子が今も残っているのかもしれん。

ワクチンと治療薬はむろん必要だ。 手に入れたいのなら、どこ産・どの会社製なんてどーでもいいから、とにかく政府はゼニをちゃんとたくさん用意して、ケチらずにちゃんとたくさん製薬会社に払え。 な。 それがすべてだ。 製薬会社はゼニさえ払ってくれれば誰にでも薬は売るのだから。

「グローバル企業と政府の交渉」 なんてバカなことすんな。 人のふんどしで相撲をとる能力しかない世間知らずのニポンの役人に交渉力なんてあるわけなかろうが。 領土問題やら拉致問題やらの交渉大失敗で、そんなこと周知の事実だろうが。 余計なことすんな。 とにかくお客さんとして金を積め。 そうしたらなんとかなる。 たぶん。

ちなみに、お薬の世界って、裏交渉をしようと思えばいくらでもできるのよ。 たとえば、「コロナのワクチン売ってくれれば、引き換えに貴社が申請中のあの抗がん剤とあのリウマチの薬、早く承認してやるから」 とか、簡単にできちゃう。 れぎゅらとりーさいえんすと称する意味不明な理屈を振りかざしてもいいし 、行政事務的なテキトーな言い訳でもなんとかできる。 「次の薬価改定のときに会社に適用する係数をこっそり裏で調整して、薬価引下げを緩和してやるから」 といった手も可能。 でもね、正義感はあるけど世界観が貧弱なお役人がそうした裏交渉をすると、将来に大きな禍根を残す。 海千山千のグローバル企業や海外政府に、表に出せない弱みをにぎられることになるから、とても危険。 医薬品がらみの役人の中に、「自分は裏交渉できる能力がある」 と思っている自信過剰が実際いるのよ。 業界に寄生するメディアがその手の役人を 「実力派官僚」 とおだてたりするから。 私が 「正々堂々とゼニで解決しろ」 と言っているのにはそういう背景もある。

企業は銭金で動く。 ほれ、ニポン人が大騒ぎしたドラッグラグとやらも、開発費用の一部をニポン政府が 「補助」 したら (ニポン人での試験の省略を大っぴらに認めたよね) あっという間に解決したんだろ? (笑) 正確に言うと、費用を負担してるのは政府ではなく、ニポン人向けに最適化されていない薬の副作用で危ない目に遭わされるニポンの患者ってところがミソなのだが、そこには誰も興味を示さないのな。 正義感あふれる朝〇新聞さん、どうしてそこには突っ込みをいれないの?

「ニポンは1か月半でコロナを収束したっ! ニポンモデルの力を示した!」 のバカはもはやバカの殿堂入りだから(以下略)。 

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リモート通勤とか、テレワークとかを推奨したり、喜んだりしてる連中にも、実はちょっとバカの臭いを感じているのである。ごめんね。 テレワークをさせられている多くの読者の神経を逆撫でするやもしれんが、読者が減っても別にかまわん。 おまいらオレに一銭も払ってないしな。

大学生や企業の社員相手のオンライン講義・会議を繰り返して分かったことがある。 オンラインの致命的な弱点、それは 「オンラインではバカが見抜けない」 こと。 バカって独特の臭いを発しているのだが、それって同じ部屋にいないと嗅げないのな。(注 2)

(注 2) ここでいう「バカ」 の意味は 「バカなヒト」 ではありません。 

たとえば学生や企業社員に 「バイアスって言葉の統計学上の意味、分かってるよね?」 って尋ねたとしよう。 すると多くが 「臨床試験で、間違ったことや不正なことをやって、結果に悪影響が出て、 ・・・」 などとまったく意味不明な答えをしてくれるのだが、それはさておき、面白いのは、答えを発する際の顔色、声色、表情、そして汗・臭いがヒトによって違うこと。 少しでも統計学に怖れを抱き、統計学を真剣にかじったことのあるバカの臭いと、統計学を実はまったく理解していないのに分かったような顔をして仕事してるバカの臭いは、まるで違う。

face-to-face の講義・会議だと臭いの違いが分かる。 だから、さらに質問を重ねて、「ランダムサンプリングすることの意味って、何かな?」「中心極限定理ってどう証明するんだっけ? i. i. d ってなんだっけ?」 「製薬企業のやってる母集団が無い薬効評価ってほとんど犯罪なんだけど、それを理解してる?」 などと顔色を見つつ、泣きださないようにご機嫌をとりながら、バカの種類をより正確に診断し、バカにバカを自覚させていくことができる。 それが教員の腕の見せ所である。

しかしオンラインだと、その臭いが希薄になる。 通信負荷を減らすために動画を切ってある会議なんて最悪。 業界人って、何かトピック・質問をふられると、みんなとりあえずご立派な、テキトーなことを上手に口走るのね。 でも、薄っぺらいことをペラペラと語るオンライン上の声を聴いていると、時々、バカの気配のようなものを感じてしまうことがあるのだ。 しかし所詮はオンライン。 臭いは届かないし、はっきりしたバカの手がかりはない。 仕方ないから 「あのー、あなた、p値やランダムサンプリングの意味、本当に分かってますか? (= あなた、バカですか?)」 と単刀直入に尋ねてみるのだが、たいていの場合、「はい、私は分かっていまーす (キリッ)」 というすばらしいお返事が返ってくるのだ。 残念ながら追及 (というか教育) はそこまでとなってしまう。 それ以上しつこく 「あなたはバカですか?」 って聴けないもんな。

今のオンラインマンセーの状況では、従来は淘汰されてきた「バカ」が、オンラインでぬくぬくと生き延びることになると思うのだが、企業や大学のおエライさんたちってそのことを理解してるのだろうか。

あ、ここでいう「バカ」とは「その人のダメなところ」 という意味ですよ。 正さないといけない誤った理解や知識不足のこと。 もっとも、誤りを修正する気など毛頭ない、ほんまもんのバカもたくさんいるけど。

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・・・ と、こんなことを書くと、「おい、サル。 医薬品業界人なめんなよ。 業界人ならランダムサンプリングの意味くらい当然に知っとるわい!」と怒り出すバカが出てくるんだろうな。 その手のバカは定期的に湧いてくる。 講習会で司会をしてるとき、受講生に 「あんたら、そんなユルいこと言ってちゃダメだろ」 とダメ出しすると、「薬学部の教員ごときが、オレたち新薬開発のプロの言うことに口出しすんな。 黙って司会進行だけしてろ」 などと喧嘩を売ってくる身の程知らずのバカもいるのよ。 マジで。

あのな、オレは役所で17年、大学で15年、ずーっとあんたらを相手してきたのよ。 あんたらやあんたらの先輩 (あんたらの会社のシャッチョサンや役員連中だ) の悪事・悪巧みや、独りよがりで患者不在の開発戦略とやらとずーっと付き合ってきたの。 あんたらやあんたらの先輩が出してくる、日本語を知らない人が書いたような申請資料(と称するもの)や論文の原稿(と称するもの)を何十年も読まされ続けてきたのよ。 つまり人生の何分の一かをドブに捨ててきた慈善事業に費やしてきたってこと。 でもそのおかげで、あんたらの知的レベルお役人と同程度に哀れであることは誰よりもよーく分かっておる。 長所や短所もね。 なんなら世間様にあんたら業界人 (産官学すべて) の痴的知的レベルを全部暴露してやってもいいんだぞ。 

講習会でサル的なバカにバカと呼ばれればそりゃ悔しかろうが、ちょっとは我慢しろ。 な。 学問や勉強が面白くなるのはそのバカを乗り越えた先なんだから。 そこは勉強の仕方を教えるプロとして保証するからさ。

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ほら、どうですか。 このあたりまで読むと、他人のことをバカ呼ばわりしているヤツが結局は一番バカである、という永遠の真理が見えてきたでしょ? このサル、自分で自分の首を絞めておる (笑)。 人をバカだと指摘すると損をすることばかりで、得をすることなどまったくないのだ。 でもね、いいのよ、それで。 オレが言わなきゃ他には誰一人言わないんだもん。 みんな、賢いからな。

今日家に帰ったら、家人にも 「あんなバカなことを自慢げに書いていい気になってるなんて、ほんとにサルそのものね」 と呆れられるのである。

・・・ だ、誰がバカやねん! 誰がサルやねん! ムッキー!